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バーバリーコートのボールペンのシミの除去。最近のボールペンのインクは、書きやすさや消えにくさを追求して、性能が高くなっているので、染み抜きはとても難しくなっています。

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バーバリーといえば、このトレンチコートが定番です。「全天候型の服」として英国軍隊御用達の外套服として、歴史のあるコート。耐久性に優れ、「一生モノだ」といって買われる方も多いでしょう。
お客様はロンドンの本店で購入されたそうです。

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表地の素材はコットンですが、防水性、耐久性に優れているように、生地目が詰まっています。そこにボールペンのシミが付いてしまいました。
ボールペンで書きなぐったようになっています。

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1箇所ではなくアチラコチラに。
お客様のお子様にいたずらされたとのことで、近所のクリーニング店や大手のクリーニング会社に相談したところ、断られてしまい、困ってクリーニングのデアに依頼されました。

クリーニング店でのボールペンのシミを除去するのは、昔はそれほど難しくはありませんでした。ボールペンのインクがシンプルな油性のものだったから、シミ抜き溶剤でとれたからです。

しかし、最近のボールペンのインクは、書きやすさや消えにくさを追求して、性能が高くなっているので、インクの染み抜きはとても難しくなっているからです。

バーバリーコートボールペンの染み抜き

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油性、水性の両方の性質を持ったインクがメーンとなっているので、インク用シミ抜き剤ではそう簡単には取れません。

デアではインクシミ抜き剤として、常に数種類のインク除去溶剤を用意しています。
どの溶剤を使うかを、担当者が目でついたインクの様子を見て決めていきます。

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油性系のシミ抜き剤をボールペンの跡に垂らしていきます。
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インクのついた箇所にまんべんなく溶剤を付けます。

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つけてしばらくすると、ボールペンのインクが浮いてきたように見えます。染み抜き溶剤に溶け出してきたのですね。

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別の箇所にも溶剤を垂らします。

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この箇所は水性系のシミ抜き剤もつけてみます。

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そしてしばらく置きます。

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ボールペンの赤の色が染み抜き溶剤に溶けて溶剤に色がついてきました。

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別の箇所も溶けてきたようです。

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こうなれば、染み抜きは成功です。

バーバリーコート本洗い

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次にやることは、本洗いです。

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溶けた染み抜き溶剤を洗い流すことと同時に、バーバリーのトレンチコートの他の汚れた箇所の手洗いです。

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コットン生地のコートは、バーバリーだけでなく最も汚れるところは襟の部分です。
首筋ですは、汗や皮脂がこびりついているので、普通にクリーニングするだけでは汚れは取れません。お客様にもクリーニングから帰って来ても取れていないことが、よくあのではないでしょうか。

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ナイロン製の柔らかいブラシでブラッシングします。
洗浄力の強い石けんですのでしつこい汚れも軽くブラッシングするだけで、よく取れます。

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次に汚れが多いのが、袖口です。
ここも表裏ともブラッシングします。

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そして、お湯シャワーで洗い流します。

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赤ボールペンのシミはすっかり消えてなくなりました。

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他の箇所のボールペンも同様に跡形もありません。

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真っ黒になっていた襟もキレイになりました。

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赤ボールペンのシミのついていたあたりです。
バーバリーのトレンチコートはすっかりキレイになっています。

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クリーニングの最後の工程、アイロンで仕上げます。自然乾燥しているので、乾燥しても通常の水洗いのようなシワがあまりありません。

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腕部分

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前身頃や細かいところは立体的なところは、「ウマ」という特殊なアイロン台を利用して立体的に仕上げていきます。

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裏地のライナー部分にも、業務用アイロンの蒸気の出方を微妙に調整しながら、形を整えていきます。

バーバリーのトレンチコートの染み抜きと洗いそれに仕上げのクリーニング作業を紹介しました。